デジモンセイバーズはとにかく「アツい」
全部で48話ありますが、1週間で見終わってしまうほど面白かったのでその魅力を書いていきます。
一言で言ってしまえば、セイバーズはとにかく「アツい」作品です。
最初から最後まで胸をアツくさせてくれます。
過去作とのつながりはないので、デジモンを知らない人が見ても楽しめます。
強いて言えば、主要キャラのアグモンの声とナレーションが遊戯王GXの万丈目準なので、遊戯王が好きな人は入りやすいと思います。
途中から遊城十代とジャックアトラスも出てきます。
それでは、以下にセイバーズのおもな見どころを書いていきます。
・デジモンと拳で語り合う主人公
この人物抜きにセイバーズは語れません。
1話の開始数分で、リアルワールドに現れたアグモンと男と男の喧嘩を始めます。
激しい殴り合いの末、ダブルノックダウンで引き分けとなりますが、拳で語り合ったことでアグモンとの間に友情が芽生えます。
この喧嘩をきっかけにアグモンはマサルの強さに感服し、親しみを込めて「アニキ」と呼ぶようになります。マサルをアニキとして認め、自分は子分になると言い出したのです。
この人間とデジモンの奇妙なアニキ分と子分の関係が、セイバーズの醍醐味のひとつです。
今までの人間とデジモンの関係といえば、友達であったり、互いに助け合うパートナーといった関係性が主でした。
もちろんマサルとアグモンにもそういった信頼関係はありますが、大きく異なる点は、アニキ分と子分という関係性を通して、義に厚い「任侠」として描かれているところです。
子分のアグモンが傷ついたら、アニキ分であるマサルが黙っちゃいないし、強敵を前にしてアグモンの心が折れそうなときは、率先してマサルが殴りかかり勇気を奮い立たせる。
デジモンよりも積極的に前に出るという新しい主人公像です。
セイバーズでは、パートナーデジモンを進化させるためには、人間の持つエネルギーである「デジソウル」が必要になります。
デジヴァイスを媒介にしてこのデジソウルを発生させることで、パートナーのデジモンは進化ができます。
味方のピンチや誰かを強く守りたいと願うとき、その想いに比例してパートナーデジモンも強力な力を発揮します。
その反面、怒りや憎しみなど負の感情もそのまま受け取ってしまうので、使い方を誤ればパートナーデジモンは大変なことになってしまいます。
マサルはこのデジソウルを「デジモンを拳で殴る」ことで発生させます。
セイバーズを見始めた頃は人間がデジモンに殴りかかるなんておかしいだろと思ってましたが、今ではアニキの拳なしじゃデジモン観れないです。
この縛りのおかげで、ストーリーが進み敵のデジモンが強力になるにつれて、マサルの評価も上がっていきます。どんなに強いデジモンに対しても、必ず一撃はお見舞いするわけですからね。
また、マサルの拳はデジソウル発生の合図だけではありません。
男は拳を交えれば分かりあえるという考えのもと、究極体デジモンであろうとためらうことなく殴りにいきます。
セイバーズの主題として「人間vsデジモン」という対立構造があります。人間に強く不信感を抱くデジモンの心に対して、マサルのアツい拳がどストレートに語りかけるというのも見どころのひとつです。
パートナーのアグモンや仲間の心が折れそうなときも、決してあきらめず常に困難に立ち向かう勇気ある姿勢は、敵であるデジモンの考え方にも影響を与えます。
アニキの拳は世界を救うというわけです。
・デジモンに育てられた人間
事故により赤ん坊の頃にデジタルワールドに飛ばされた少年「イクト」。
赤ん坊の頃からデジタルワールドにて母親代わりのユキダルモンに育てられたため、心はデジモン、体は人間という唯一無二の存在です。
人間の身勝手な行いにより、母親とも呼べるユキダルモンを目の前で殺されてしまいます。このことから深く人間を憎むようになり、マサルたちがデジタルワールドにやってきたときも敵意をむき出しにして対峙します。
ユキダルモンのみならず、イクトを大切に扱っていたとあるデジモンを同じ人物に目の前で殺され、さらに深い悲しみを負います。
その人物を追いかけリアルワールドにやってきてからも、仲間だと思っていたゴツモンにお前は災いの元だといわれ命を狙われたりと、次々と降りかかる不幸な出来事や壮絶な生い立ちに、見ていて胸が苦しくなります。
自分の故郷であるデジタルワールドを荒らし回る人間を深く憎む一方で、リアルワールドで両親と再会を果たし、マサルたちと共に行動することで、次第に人の優しさや温もりを知り、悪い人間ばかりではないことを知ります。
そしてデジモンとして育ってきた人間の自分にしかできないことがあるのではないかと考え、人間とデジモンがお互いのことを理解し、仲良く過ごせる方法を模索します。
・究極体のオンパレード
セイバーズは究極体の数が多いのも特徴です。
まだ序盤である12話から究極体のメルクリモンと衝突し、その後もサーベルレオモンやバンチョーレオモン、エルドラディモン、ダークドラモン、ロトスモン、スピノモン、七大魔王の一体ベルフェモン、さらにはロイヤルナイツなど実に多くの究極体デジモンが登場します。
ここに書いた全員と戦うわけではありませんが、究極体なだけあって常に格上との対戦となります。
その強さを前に諦めるのではなく立ち向かっていくマサルの姿勢とも相性がよく、よく次から次へと強敵が現れます。
重要なポイントとしては、マサルを始め仲間の全員が究極体にまで進化することです。これにより特定のキャラだけが活躍して他のキャラが置いてけぼりになることもなく、最後までバランスを保ったままの関係性が続きます。
テイマーズと同じくシルエットで進化ルートをほのめかす前期OPもいいけど、オメガモンやデュークモンを中心にそびえ立つロイヤルナイツの後期OPもいいぞ〜。
・デジタルワールドの神イグドラシル
ロイヤルナイツを配下に置くデジタルワールドの神です。
ついに神まで登場します。
デジタルワールドの危機に姿を現し、デジタルワールドを救うために人間界を滅ぼすという冷酷な判断を下します。人間は愚かで醜い生き物だから存在している価値がないという、まさに神たる傲慢さ。
マサルと拳を交えたロイヤルナイツの一体であるクレニアムモンなどはその偏った考え方に異を唱えますが、まるで聞く耳を持たず。徹底して神である自分の考えこそ絶対というスタンス。
序盤から中盤にかけて名前だけは登場しますが、その実態が登場するのは終盤になってからです。デジタルワールドで10年前から行方不明になっているマサルの父の話を回収する形で現れます。バンチョーレオモンの正体もここで明らかになります。
散りばめられたあらゆる疑問がイグドラシルを中心に解決していくので、最後まで目が離せません。
・おわりに
ここまでかいつまんでデジモンセイバーズの魅力を書いてきましたが、いかがでしょうか。少しでもその魅力が伝わっていたら嬉しいです。
くどいようですが、セイバーズはとにかく胸をアツくさせてくれる作品です。
いつしか忘れていた燃えたぎるような心を、ドストレートに揺さぶってきます。
ぜひお時間があれば見てみてください…と言いたいところですが、配信サービスの数が少ないという実情があります。
大手のdアニメストアやAmazonプライムビデオにはないので、私はFODという配信サービスで視聴しました。
過去のデジモンシリーズは一通り揃っているので、デジモン好きな人は登録してみてもいいと思います。
それでは今回はこの辺で。最後までご覧いただきありがとうございました!